複数の借入を抱えていると、毎月の返済管理が煩雑になるだけでなく、金利負担も大きくなりがちです。おまとめローンは、こうした状況を改善できる可能性がある金融商品ですが、すべてのケースで得になるわけではありません。
実際に得をするのは、現在の借入金利が高い場合です。消費者金融のおまとめローンでは、日本貸金業協会が示す通り、借換え後の金利が借換え前を上回らないことが条件となっています。
金利が下がる可能性が高い借入額
利息制限法では、借入額が100万円以上になると上限金利は年15%となります。現在複数の借入を合計して100万円以上になり、なおかつ各借入の金利が年15%を超えている場合、おまとめによって確実に金利は下がります。
たとえば、A社から30万円(年18%)、B社から40万円(年17%)、C社から50万円(年16%)の計120万円を借りているケースを考えてみましょう。これをまとめて120万円の借入にすれば、金利は年15%以下になり、毎月の利息負担が軽減される計算です。
返済管理の負担が減る
複数の借入先があると、それぞれ返済日が異なるため、うっかり返済を忘れてしまうリスクも高まります。遅延損害金が発生すれば、さらに返済総額は膨らんでしまいます。
返済日が月1回に統一されれば、返済計画も立てやすくなります。精神的な負担も軽減され、完済への道筋が見えやすくなります。
おまとめローンで損をしてしまうパターン
一見メリットが多そうなおまとめローンですが、使い方を間違えると逆に損をする可能性があります。特に注意すべきなのは、低金利の借入まで一緒にまとめてしまうケースです。
低金利ローンをまとめると金利上昇のリスク
自動車ローンや教育ローンなど、目的別ローンの金利は年1~10%程度と低めに設定されています。これらをおまとめローンに含めてしまうと、結果的に金利が上がってしまう場合があります。
銀行カードローンも比較的低金利で借りている場合があります。消費者金融のおまとめローンは年15%前後が一般的なため、それより低い金利で借りているローンは対象から外すべきです。
返済期間の延長で総返済額が増加
おまとめローンでは、毎月の返済額を抑えるために返済期間を延ばすことが多いです。確かに月々の負担は軽くなりますが、返済期間が長くなれば、その分利息も多く支払うことになります。
| 項目 | おまとめ前 | おまとめ後 |
|---|---|---|
| 借入総額 | 120万円 | 120万円 |
| 月々の返済額 | 5万円 | 3万円 |
| 返済期間 | 2年 | 4年 |
| 総返済額 | 約132万円 | 約145万円 |
このように、月々の負担が減っても、総返済額では損をしてしまう可能性があります。余裕があるときは繰上返済を活用し、できるだけ早く完済を目指すことが重要です。
追加借入ができないデメリット
おまとめローンは返済専用のローンであり、追加で借入することはできません。急な出費が必要になった場合、新たにローンを組む必要があり、審査に通らない可能性もあります。
おまとめローンを検討する前に確認すべきこと
おまとめローンの利用を決める前に、いくつか確認しておくべきポイントがあります。現状を正確に把握することで、本当にお得かどうかを判断できます。
現在の借入状況を整理する
まずは、以下の項目を一覧にまとめましょう。
- 各借入先の残高
- 適用されている金利
- 毎月の返済額
- 残りの返済期間
これらを可視化することで、おまとめによってどの程度のメリットがあるのか、具体的にシミュレーションできます。特に金利の比較は重要で、おまとめ後の金利が現在より高くならないか必ず確認したいところです。
返済シミュレーションを必ず実施
多くの金融機関のウェブサイトでは、返済シミュレーションツールが用意されています。おまとめ前と後で、総返済額や返済期間がどう変わるか、具体的な数字で比較することが大切です。
月々の返済額が減っても、返済期間が大幅に延びれば損をする可能性があります。シミュレーション結果を慎重に検討し、自分にとって本当にメリットがあるかを判断しましょう。
審査基準を理解しておく
おまとめローンも通常のローンと同様、審査があります。複数の借入があることから、審査は慎重に行われる傾向があります。
信用情報に問題がある場合や、収入に対して借入額が過大な場合は、審査に通らない可能性が高いです。事前に自分の信用状況を確認し、必要であれば少額の借入を完済してから申し込むなど、準備をしておきたいところです。
おまとめローンを最大限活用するための戦略
おまとめローンで損をせず、最大限のメリットを得るには、いくつかの戦略があります。単に借入をまとめるだけでなく、計画的に返済を進めることが重要です。
高金利の借入だけを選別してまとめる
すべての借入を一つにまとめる必要はありません。年15%を超える高金利の借入だけを対象にし、低金利のローンはそのまま継続する方が得になるケースが多いです。
たとえば、消費者金融からの借入(年18%)と銀行カードローン(年12%)がある場合、消費者金融の分だけをおまとめ対象にするといった選択肢も検討したいところです。
繰上返済を積極的に活用
おまとめローンで月々の返済額が減った分、余裕ができた資金は繰上返済に回すべきです。繰上返済をすることで、元金が早く減り、総返済額を大幅に削減できます。
ボーナスが入ったときや、臨時収入があったときなど、まとまった金額を繰上返済に充てることで、返済期間を短縮できます。金融機関によっては繰上返済手数料がかかる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
新たな借入を防ぐ習慣づくり
おまとめローンで借入を一本化しても、また新たに借入を重ねてしまっては意味がありません。返済計画を立て、家計簿をつけるなど、支出を管理する習慣を身につけることが大切です。
クレジットカードのリボ払いも実質的な借入であることを認識し、できる限り一括払いを選択するなど、借入体質から脱却する努力が求められます。